電気自動車 ハイブリッド車 ディメリット

ハイブリット車の思わぬディメリット

◆システムの複雑化による信頼性低下

 

ハイブリッド自動車は内燃機関とバッテリーを一台の車に搭載するため、全般に同程度の排気量のガソリン車と比較して15-20%ほど重量が増加する[5]。
システムの複雑化は欠陥や故障等によるリコールの増加など信頼性の低下に繋がる場合があり[6]、重量の増加は燃費の悪化に加えタイヤや路面のダメージを増大させる。また、モーターやバッテリーにはレアメタルのほかコバルトなど産地が偏っている鉱物を利用するため価格が高騰しやすく、安定した資源確保が困難になることも懸念される。
また、通常のガソリン車であれば自走可能な軽い事故でもシステムがダメージを受けやすく自走不能となりやすいと言う声もある。

 

◆環境負荷の増大

 

ハイブリッドカーは従来型の自動車(ここでは便宜的にガソリン車とする)に対して部品点数が多くなるため、必然的に製造・廃棄に掛かるコストがHV特有の部品の分だけガソリン車より環境・金銭両面で高くなる。それが故、「長期的に見ればプリウスはランドローバー・ディスカバリーより環境に悪い」との指摘もある。

 

特に問題となるのが専用のバッテリーである。まず製造という観点から言うと、そのバッテリーの原料(ニッケル)などを採掘するのに大量の二酸化炭素を排出する。勿論その後の製品化・輸送の時点でも同じである。
また、バッテリーをリサイクルするにしても行程が長くなると言う問題がある。トヨタが公開しているPVによると、そのリサイクル行程は「一度全国の解体屋からバッテリーを愛知陸運に集め豊田ケミカルで解体・下処理・破砕、その後住友金属鉱山で精錬、プライムアースEVエナジーで製品化した後トヨタの工場で車両に搭載」・・・つまり全国→愛知県→愛媛県→静岡県→愛知県→全国・・・という、通常の自動車リサイクルでは考えられないほどの大掛かりな流れになっている。勿論バッテリーだけではなく、ガソリン車としてのリサイクル行程も必要になってくる。

 

そのため環境コスト(ライフサイクルアセスメント・ライフサイクルコスト)と言う観点で言えばメーカーが言うほど環境負荷の低下は期待できないとの批判も存在する。

 

またセールスポイントであり、これがなければHVの存在意義が無くなってしまう[7]燃費・低排出ガス性能に関しても疑問の声があがっている。極端な事例としてはBBCの自動車番組トップ・ギアにおいて番組専用サーキットで行った「全開で走るプリウス(2代目)の後ろをBMW・M3(E92)が追走する[8]」と言う燃費テストがある。このテストではM3の方が低燃費という結果が出ており、これを受けて司会のジェレミー・クラークソンは「エコカーよりエコドライブのほうが大切」という主旨の発言を行っている。

 

    

 

 

 

◆バッテリーの危険性の増大

 

ガソリンハイブリッド車両はガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせているため、通常の車に搭載される12Vのバッテリーに加え、最大600Vで電気モーターを回すHVバッテリーを搭載している。このバッテリーは通常のバッテリーと比べ電圧が高いなどの理由から感電の際の危険が大きい。特に大型機械に搭載されているキャパシタ(コンデンサ)も同様の理由により感電した場合死亡事故にも繋がりうる。整備工場や事故現場等における感電事故が懸念されており、メーカーがレスキュー時の専用マニュアルを公開していることもある。

 

 

◆静穏化による歩行者への危険の増大

 

ハイブリッドカーはモーター走行時の騒音が小さいため、主に低速時に歩行者、特に音で接近を判断する視覚障害者からの認知が遅れる可能性があり、危険性が指摘されている。[11] また、静穏性を悪用したひったくりが発生するという事態にまでなっている。電気自動車も含め走行中に人工的に音を発生させる装置の義務化がハイブリッドカーメーカーや政府によって進められている[12]が、ジェット機の音を小さくしたような音[13]であるため新たな騒音源になることが懸念される。